2012年8月5日日曜日

質量と力


 質量の起源を説明できる粒子が発見されたかもしれないと世界中が騒いでいる。しかし、質量というものの定義そのものがおかしい。「動きにくさ」だと説明している。ヒッグス機構とか言って、ヒッグス粒子がいっぱい詰まった空間があって、そこを粒子が進む時に衝突して進みにくいことで質量が与えられていると言うのである。その説明に「水の中は空気中より進みにくいでしょう。自分が重く感じるでしょう。これと同じです。」などと言っている人もいた。

 質量の定義はすでにある。E=m*c^2という定義がある。この定義のどこが不足なのだろう。問題はEであり、エネルギーの正体だと思う。この式は実に不思議な式なのである。この世では考えられない式なのである。この物理空間ではあり得ない式なのである。それを本当に分かっている人が少ないのではないだろうか。この式は質量から膨大なエネルギーが取り出せるとだけ言っているのではない。簡単に言えば、動かないものがエネルギーを持っていると言っている。これは今日のいかなる物理法則にも当てはまらない。

 自然科学研究機構の佐藤博士はヒッグス場でなく、真空の相転移と見ておられる。相転移が何を意味するのか私には理解できないが、すくなくとも、ヒッグス機構の説明よりも希望を感じる。ヒッグス粒子の存在が真空のエネルギー、ダークエナジーとどう関係しているかに関心があるというIPMU機構長の村山博士の意見に同感である。

 質量も大切だが、もう一つ大切な問題が未解決である。「力」の問題である。「引力」、「電磁気力」、「強い力」、「弱い力」の四つの力によってこの世界が形作られている。アインシュタインの最後の夢は引力と電磁気力の統一であった。しかし、その試みは成功しなかった。我々の身近な力の正体は重力以外は電磁気力だと言って良い。電気を使う力以外にも、ひもで引っ張ったり、手で押したり、我々が走ったり、飛行機が空を飛んだりする力は皆、原子レベルで見れば電磁気力が元になっている。

 原子レベル以下の素粒子の世界になると、重力や電磁気力とはことなる2つの基本的な力が存在することがわかっている。それが「強い力」「弱い力」と言う。何かへんな名前だが、これが正式な固有名詞なのだ。

 我々の体を本当に最後の最後まで行けば、何になるのか。それは「アップクォーク」と「ダウンクォーク」と「電子」の三種類の素粒子になることがわかっている。万物全てがこの三種類の素粒子から出来ている。これが最終的な物質粒子なのである。ちなみにクォークは電子の1000倍以上の質量があるので、我々の体重はクォークの総重量だと考えて良い。いま、問題になっているのは、そのクォークの質量がどこから来たのかと言うことなのである。

 クオークと電子によって、物質は作られているのだが、そのクォークとクォークを結びつける力が「強い力」である。「強い力」にはクォークを結びつける力以外に、原子核を作る力がある。(この核力の解明でノーベル賞を受けたのが湯川博士である。)「弱い力」は電子などと関係している。

 ここまで来ると、非常に難しく私の手におえないのであるが、素人でも不思議に思う事がある。力の正体は何なのか、と言うことである。いま言われている通り言えば次のようになる。
重力     重力子(質量ゼロ)未発見
電磁気力   光子(質量ゼロ)
強い力    グルーオン(質量ゼロ)
弱い力    ウィークボソン(陽子の100倍の質量)
 今日の量子力学ではこれらの粒子をキャッチボールして、それぞれの粒子が互いに力を及ぼし合っていると言うのである。

 ここまで来ると私には理解できない。キャッチボールしてどうして引き合う力が出るのか・・・・? 反発力ならわからないでもない。しかし、質量ゼロのボールを投げても反作用は起こらない。勝ってなことを言わせて頂ければ、私は力は質量と同様に異次元のエネルギーと何か密接な関係があるのではないかと思う。質量も力も共に共通の原因を持っているのではないか。


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