2012年7月9日月曜日

ヒッグス粒子は本当にあるのか


欧州合同原子核研究所(CERN)は、2012年7月4日、「物質に重さを与える素粒子として約50年前に予言されていたヒッグス粒子発見か!!」と発表した。

しかし、そのヒッグス粒子自体も重さを持っているとすれば、その重さは何が与えるのだろう…。

そうした素朴な疑問も出てくるのであるが、それはさておいて、そもそも重さとは何であろうか。物質には重さがあり、重さのあるものは物質である。このように考えると、重さを与える粒子というのは、物質を作り出す粒子と言うことになる。おそらくこれがヒッグス粒子が「神の粒子」と呼ばれる理由であろう。

しかし、この考えにはどうしても無理がある。物質を作り出す粒子だとして、その粒子も物質であれば、それを作り出す粒子は何なのか…。自分で自分を作り出すのか。

「ヒッグスレス理論」
実は、このように考えるのは私だけではない。世の中にはヒッグスレス理論というのがある。ヒッグスレス理論を提唱しているのは、東京大学数物連携宇宙研究機構(IPMU)という研究所の村山斉所長である。

全ての物質は原子から出来ていると思われている。その原子の重さは原子核の中の陽子と中性子の重さを足したものである。さらに、その陽子と中性子の中にはクォークと呼ばれる素粒子がそれぞれに3個づつ入っている。陽子と中性子の重さを生み出しているのはそのクォークである。
いま問題になっているのは、そのクォークに重さを与えるものは何であるか、ということなのである。クォークの中に何か入っているのではないか…素人的にはそう考えてしまうのであるが、専門家達はもうそれは考えられないというのである。そして、ここ50年もの間、クォークに重さを与える素粒子としてヒッグス粒子なるものを探し求めて来たのである。

話をヒッグスレス理論に戻そう。
まず、陽子と中性子の重さはクォークの運動エネルギーだと言うのである。そして、クォーク自体の重さは、クォークが異次元で持っている運動エネルギーだというのがヒッグスレス理論の結論である。すなわち、異次元のエネルギーが目に見える世界の物質の元だと言うのである。この世界が目に見える三次元だけでなく、多くの次元を持った構造をしているのではないか、ということは多くの人が考えている。しかし、それらの次元間の具体的な関係はまだ知られていない。

「ヒッグス粒子は見つからない…」
私は、ヒッグス粒子は見つからないと思っている。村山斉氏の言うように、異次元のエネルギーが物質の元なのだと思う。もし、このことが証明されれば、宇宙の見方が根本からかわる。ビッグバンが宇宙の始まりだと言うのでなく、異次元のエネルギーそのもののあり方が問われてくるだろう。異次元のエネルギーとは何なのかと…。
思えば120年ほど昔、科学者達はこの世界がエーテルの海の中にあると信じていた。今と同じように必死で探した。しかし、エーテルの海はなく、その後アインシュタインによって新しい空間の概念が明らかにされた。いま科学者達は全ての物質が存在できるのはヒッグス粒子の海のおかげだと考えている。しかし、私はヒッグス粒子は存在しないと思う。そして、全ての物質は異次元のエネルギーによって存在しているのだと思う。そして、将来はその異次元のエネルギーを正しく活用して、人類はまったく新しい平和な世界に住むようになるかも知れない。しかし、そのためには、まず全ての国境が廃止され、人類が一つにならなければならないだろう。なぜなら、その異次元のエネルギーは争いの元になるようなものではないからだ。


「村山斉氏のコメント」
7月6日の毎日新聞の記事で、このニュースに対する村山斉氏のコメントを見た。「…ヒッグス粒子は真空のエネルギーの一部になっているため、ヒッグス粒子を理解することが、宇宙の膨張が加速する謎にせまる手がかりになる。」と書かれていた。それなら理解できる。粒子でなくエネルギーなのである。エネルギーが粒子になって見えたのである。村山氏は「真空中の…」と言っているが、言い換えれば異次元の空間とも取れる。なぜなら、常識では真空とは何もない空間のことを言う。もし、そこにエネルギーが存在していると言うなら、それはもはや真空ではなく新しい次元の空間を意味するからだ。

「リサ・ランドール(Lisa Randall)博士の研究」
もしかすると、今回の現象はリサ・ランドール(Lisa Randall)博士が以前から予言していた現象ではないだろうか。今回の実験の結果は、物質に重さを与える物としてのヒッグス粒子ではなく、リサ・ランドール博士の言う5次元のエネルギーが3次元の世界に出て来たものかも知れない。今回の実験の結果は多次元空間の存在を証明するものかも知れない。


私は、上の部分で「全ての物質は原子から出来ていると思われている。」と書いた。確かに見えるものとしては、間違いなく物質は原子から出来ている。では、原子だけで元の物質が構成できるだろうか。簡単に言えば、人間は炭素や水素、窒素、酸素などの原子から出来ている。しかし、これらの原子をいくら集めても人間にはならない。だから私は「…と思われている」と書いた。人間を例にとったのは少し飛躍があったかも知れない。約100年ほど前から天文学者達は銀河系の性質について頭を悩ませていた。すなわち、全ての銀河系の形や構造がそれらを形成する物質からは説明できなかったのである。彼らは、この世界には目に見えないものが存在していると確信した。そして、その量を計算した。なんと、目に見えるものは5%しかなく、他の95%は目に見えないものであると言う結論を得た。それが今日、ダークマター、ダークエネルギーと言われているものである。しかし、これは何も遠い銀河の話ではない、我々の周囲の空間も同様である。我々の体の構造も銀河の構造も同じである。1個の細胞を見れば、そこには宇宙が存在している。結論を言えば、「全ての物質は目には見えない異次元のエネルギーが元になって、その一部分が目に見える原子となって形作られている。」と言いたい。

私は、今回の実験の結果は、村山氏の言うようにダークエネルギーを理解する手掛かりとなり、リサ・ランドール博士の言う多次元空間の存在の証明につながると思う。我々はヒッグス粒子に囲まれて生きているのではなく、異次元のエネルギーにつつまれて生きているのである。太陽や自然の中に神の存在を感じた人間の英知は決して間違ってなかった。